美肌治療の奥の手、エレクトロポレーション?

エレクトロポレーションは、細胞膜に微小な穴を開け形質転換を行う、バイオテクノロジーの分野の技術を応用した新しい美容医療です。専門の機器を使用して特殊なパルスを肌に照射することで、通常皮下には浸透することのない高分子成分や親水成分などを、高分子のまま真皮層下まで導入することができます。

分かりやすく言いかえれば、通常では肌の表皮や真皮に邪魔されてしまう薬剤を、電気の力を利用して皮膚の下層へと後押しするのです。美肌になるために有効な成分を必要な部位のみに送り込むためには、注射によって注入する方法が一番よいのですが、顔への注射の注入はリスクも高く手間もかかってしまいます。そこで、エレクトロポレーションを使用することで、針を使用せずに有効な成分を浸透させることができます。

肌にいい、とされる美容成分の多くは、実は肌に塗っただけでは効果が薄いことも。鍼を使わず安全な肌改善法としてエレクトロポレーションが今注目されており、近年では、自宅で使用するエレクトロポレーション機能のついた美顔器もあります。

エレクトロポレーションとイオン導入法との違いは?

従来、美容成分を肌に浸透させるための美容法と言えばイオン導入法がありました。肌の表面はCMでも言われるように弱酸性、しかし真皮の奥はアルカリ性と、肌に存在する電気バリアがあり、それが美容成分の浸透を防いでいたのです。イオン導入法は、電気的な力を与えて水溶性の美容成分をマイナスイオン化し、真皮へと浸透させていました。

しかしこの導入法で肌に導入できるのは水溶性で低分子のものだけで、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの高分子の物質は導入することができません。またイオン導入法では成分がイオン化することでpH(水素イオンの濃度の量)の変化が起こり、肌への刺激があるといったデメリットもあります。その点エレクトロポレーションでは、高分子のヒアルロン酸やコラーゲンなどの有効成分も浸透させることができるため、イオン導入法のデメリットを克服していていると言え、その効果はイオン導入の何倍~何十倍もの深さまで有効成分を浸透させることができるとも。

ほしい美容効果が得られる有効成分をエレクトロポレーションで浸透!

イオン導入法で肌の奥に届かなかった有効成分を届けやすくなった、ということは、悩みに合わせた美容液を選びやすくなったということです。しみやくすみ、にきびや肝斑、そしてハリやツヤの改善といった様々な肌のトラブルにも、メスを使わない対応が可能になりました。美容外科の施術の中でもダウンタイム(施術してから回復するまでの期間)がないというのも嬉しいポイント。
例えば、コラーゲンが減少することでくぼんでしまった目元や、痩せたまぶたにコラーゲンを導入することで、ハリのあるふっくらとした若々しい目元がよみがえります。また、たるみにより下垂してしまった頬が作り出すフェイスラインがスッキリし、ほうれい線も改善されます。唇はプルプルでふっくらとした唇で、さらに血色もよく潤った唇になります。また年齢を隠せない首元には、コラーゲンを導入することによってシワのない肌を作り出します。

またエレクトロポレーションの有効成分は美肌だけでなく、成分によっては部分痩せやセルライトの改善、そして育毛などの分野にも期待できます。

エレクトロポレーションの持続効果

エレクトロポレーションの効果は数週間から数か月、と比較的短いものとなっています。そのため、定期的にクリニックに通う必要がありますが、だんだんと肌に馴染むに連れ、通うスパンは長くなってきます。
家でのセルフケアも大事なので、クリニックでカウンセリングを際にはセルフケアの方法などもぜひ相談しましょう。